【活動紹介】 MIA日本語講座 (宮城県仙台市)

■教室概要
運営:(公財)宮城県国際化協会(MIA)

初級1・2クラスは週に4回授業があり、集中して日本語を学習できます。また、夜間講座は昼間仕事をしている外国籍住民とって貴重な学習の場となっています。
カリキュラム構成や教室活動は、専門性と経験のある講師が担当し、学習者の募集や相談対応などは宮城県国際化協会の職員が担うという役割分担のもとで運営されています。

活動日:4月・9月開講の2期制
  初級1・2   火曜~金曜 10:00~12:00(2時間/回×55回=110時間/期)
  中級      火曜・木曜 13:00~15:00(2時間/回×28回=56時間/期)
  夜間初級1・2 火曜    18:30~20:30(2時間/回×20回=40時間/期)
活動場所:(公財)宮城県国際化協会内(仙台市青葉区)
講師数:8人
学習数:35人(13か国)

■学習者の主な背景
2011年の東日本大震災以前は中国・韓国出身の日本人の配偶者が受講生の多くを占めていましたが、近年はビジネス関係者や留学生、その家族なども増えており、国籍も多様化してきています。

■使用教材
初級1 /夜間初級1  『日本語初級1大地』(スリーエーネットワーク)
初級2 /夜間初級2  『日本語初級2大地』(スリーエーネットワーク)
中級          『中級へ行こう 日本の文型と表現55』(スリーエーネットワーク)

■活動内容
MIA日本語講座は、生活に必要な日本語学習の機会を提供することを目的としています。4技能のうち、特に「話す」「聞く」に重きを置き、テーマにそって講師やボランティアと日本語で話をする「おしゃべりの時間」も設けています。また、初級の受講生を対象に、保健・医療や防災といったテーマの研修会も日本語講座に組み込んで実施しています。
新型コロナウイルスの影響で、通常の活動ができなかった時期は、オンラインで学習支援を行ったり、会話をする機会を設けたりしました。

■行事内容
各コースの最後には、学習者がそれぞれのテーマに基づきスピーチする時間を設けています。日本語学習への思いや、自分の趣味、自分の国についてなど、自分の思いを日本語で表現し、日本語学習の成果を発表する場となっています。コロナ禍以前は、スピーチの後に文化体験の時間を設け、講師を招いて茶道や地域の伝統芸能などを体験していました。

■学習者・スタッフの声

スタッフの声:MIA日本語講座に関わるようになって12年になります。現在は学習者の国籍も背景も多様化してきていると感じています。授業ではテキストをガイドとしながらも、扱う内容が学習者の生活のどの場面で使えるかを、よく考えて授業を行うようにしています。
MIA日本語講座は、受講生同士の横のつながりが強いです。互いにいい刺激を受け、影響し合い、成長していきます。私は学習者が生活の言葉(日本語)を、目標を持ちながら勉強する学習者のお手伝いをしていると思っています。自分自身も学習者から学ぶ事も多く、共に成長できるのが、MIA日本語講座の良さだと感じています。(日本語講座スーパーバイザー)

学習者の声:MIAのクラスは楽しいです。クラスメイトは色々な国の人たちですが、日本語が共通言語になっています。MIAに来る前は日本語学校で勉強していて、毎日3時間勉強していましたが、日本語を話し足りないと感じていました。でもMIAのクラスでは、たくさんたくさん話すので、疲れますが満足しています!MIAに来てから少しずつ自信がついてきたと感じています。(香港出身・中級クラス学習者)

■地域ならではの悩みなど
当協会の日本語講座は県内在住の外国籍住民を広く対象としていますが、住んでいる場所や仕事により、受講が難しい場合もあると思われます。
また、日本で働いている親の呼び寄せで来日した学齢期の受講生がほぼ毎年のように在籍しています。MIA日本語講座では日本語の基礎を身につけてもらいながら、本人や保護者の意向を確認したうえで、高校進学などの目標を達成できるよう、他の支援団体とも連携しつつ、できる限りの対応を行っています。

■今後の課題
震災以降、受講者数はゆるやかな減少傾向にありますが、これは、以前とは来日する外国人の属性やニーズが変わってきていることを示していると思われます。当協会は、MIA日本語講座での実践を県内の日本語教室に還元し、地域の日本語教育の充実に貢献することも求められており、今後も新たな取り組みに挑戦していきたいと考えています。