【活動紹介】若草日本語教室(愛媛県松山市)

■教室の概要

運営:えひめ日本語ネットワーク(ボランティア団体)
成り立ち:1997年、日本語ボランティア育成のための「日本語ワークショップ」開講。その後、「日本語能力試験対策の指導者育成講座」の開講を経て、「日本語能力試験対策コース」として、2010年「若草日本語教室」を開講。現在に至る。
教室のコンセプト:学習者の得手不得手に合わせたきめ細かな学習支援を心がける。
教室の特徴:基本は、日本語能力試験の合格をめざす方のための教室。学習者に合わせ、主にN5~N1の文字・語彙、文法、読解、聴解の勉強のサポートをしている。

活動日:毎週月曜日13時30分~15時
活動場所:松山市総合福祉センターまたは松山市ハーモニープラザ(松山市若草町)
スタッフ数:7名(2022年6月現在)
学習者数:5名在籍(2022年6月現在) 
2020年以降、コロナ感染対策で部屋が利用できず一時休止期間もあり、学習者が減少

■学習者の主な背景
技能実習生、社会人、また、その配偶者、留学生と様々です。また、国もアジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカといろいろです。

■使用教材
学習者に合わせ、各種試験対策本を活用

■活動内容
まずは、合格希望のレベル(N5~N1)と時期を確認。また、本人の現段階の日本語レベルを把握し、文字・語彙、文法、読解、聴解のどこをどれだけ補填するか検討します。基本は本人の希望に沿いますが、本人のレベルと試験のレベルの差があまり大きい場合は、受験レベルを下げるか時期を遅らせるかなど、本人のモチベーションに留意しながら調整します。
学習者1人ずつ強み弱みが違うので、対応できるよう個別指導が望ましいのですが、試験前など急に増えることもあり、急遽グループ指導になる場合もあります。なかなかスケジュール通りにはいかないことも多くあり、その都度、スタッフで相談し合いながら進めています。

■行事内容
年1回日本語交流会を、また年数回ミニ交流会を実施。但し、コロナ対策により2020年より中止。

■学習者・スタッフ(ボランティア)の声

・スタッフの声
◎一番うれしいのは、やはり、合格の報告をもらったとき…。
◎「来週もお願いします」の一言がうれしい。少しでも役に立ててるかなって…。
◎「分かった!」と笑顔が輝くときが、やっていて良かったと思う瞬間です。

・学習者の声
◎いつも親切に教えてもらって、わかりやすくて、とても楽しいです。
◎せんせいたちは やさしくて わからないことを わかるように せつめいしてくれます。
◎大学の日本語の授業を思い出す! テストの役に立ちます!

■地域ならではの悩みなど
・学習者の交通手段については、悩ましいものがあります。市の中心部に住む学習者は歩きや自転車で教室に来られるので問題ないのですが、郊外に居住する学習者、特に技能実習生等あまり賃金の高くない学習者にとって、公共交通機関の運賃はかなり負担になります。また、便もあまり頻繁ではないので、せっかく教室に通い始めても、続かずやめてしまうことが少なからずあります。
・スタッフの人数も少なく、週1回のクラスが精いっぱいで、学習者の希望時間帯や曜日に合わせることができません。シフト制の会社に勤めている学習者も多く、毎週来ることが難しかったり、シフト変更で来られなくなったりします。

■今後の課題
・スタッフの高齢化が進み、若い人が定着しないこと。
・学習者の金銭的な事情を考慮し、現状では運営資金の不足分をスタッフが負担していますが、運営費の捻出は検討していく必要があります。
・今回コロナ禍により部屋が利用できなかった間、教室を休止せざるを得ませんでした。しかし、今後も同様のことが起こった場合を考えれば、オンライン(ZoomやSkype)の授業も取り入れていく必要があります。ただ、大部分の学習者がスマホしか持っておらず、またWifi環境が整っていないことも多い為、授業には工夫が必要で、スタッフのスキルアップが求められます。