■概要
1.運営メンバー(+活動を始めたきっかけ)
宮田(代表):日本語教師歴、細々と20年。現在は労働関係行政機関でパートをしながらにほんご町内会の活動を行っています。2010年松山市に転入後、子育てスタート。孤独やプレッシャーでつらい時期、外国人のお母さんたちに出会い、異国の地でたくましく生きる姿や明るく朗らかな心に、励まされました。その体験から、在住外国人と日本人が交流し、助け合える場をつくりたいと思い、活動を始めました。
菊池:日本語教師歴、細々と20年。現在は留学生の就職支援の職に就いています。自身が留学したとき、コーラスサークルに入り、そこが次第にかけがえのない居場所となり、留学生活を続ける原動力となりました。その経験から、居場所を持つ大切さを実感し、松山にもそのような場をつくりたい、という気持ちから、活動を始めました。※運営メンバー以外にも、理念に賛同し、お手伝いしてくれるスタッフがいます。
2.活動の理念
国籍・年代に関わらず、参加者全員が一地域住民として集い、日本語を共通言語として、対話を行う。対話の積み重ねにより、互いに理解を深め認め合う。また地域社会の一員としての自覚が芽生える。ひとりひとりの意識の変化から始まる多文化共生を目指す。
3.これまでのあゆみ
2013年8月 宮田と菊池のふたりが意気投合し、活動スタート。
2014年1月 松山国際交流協会共催イベント「にほんごdeはなそう」スタート
2014年4月 自主活動に切り替え、「にほんご町内会」スタート
2015年5月 松山国際交流協会主催の日本語教室「今すぐ日本語」スタート
■主な活動
活動のようす(Facebookはこちら)
1.「にほんご町内会」
・開催スケジュール:コロナ前までは、月2回程度、現在は1~2カ月に1回程度開催。
・参加者:外国人・日本人、合わせて10名前後。
・内容:日本語教室ではなく、在住外国人と日本人の交流の場として開催。テーマに沿ったおしゃべりやアクティビティを通じて、互いに知り合い、共感したり違いを知ったりして、交流を深めています。コロナ禍では、オンラインでも開催。以前、対面でのにほんご町内会に参加し今は帰国した人たちとの再会も果たせました。
・参加者の主な背景:インドネシア、中国、ベトナム、フィリピンなど。日本人も多数。主婦、留学生が多いです。
・使用教材:なし。必要に応じてハンドアウトなど作成しています。
・活動内容:国、年齢、性別にかかわらず参加できる内容にするよう心がけています。おしゃべりテーマ例:「ふるさと」「好きな映画」「行きたい場所」「学校の思い出」など
・アクティビティ例:梅ジュース作り、羊毛フェルト、折り紙、書道、県庁見学、公園散策、など
2.「今すぐ日本語」:松山国際交流協会主催の日本語教室(ファシリテイト担当)
・開催スケジュール:毎年春期と秋期、各10回開催。
・参加者:外国人受講者、日本人ボランティア、合わせて10名前後
・内容:「買い物」「病院」「書類」など、身近な生活場面をテーマとして設定し、すぐに使える日本語と生活情報を提供。日本人ボランティアも参加し、交流を深めています。「交通」の回ではバスに乗って松山市内の総合施設へ行き、施設職員に利用方法などをインタビューします。また、「ごみの分別」「災害」の回では、松山市の「まちかど講座」を利用し、市役所担当者にレクチャーを受けたり質問したりします。市の担当者が外国人の声を直接聞く場にもなっています。
・受講者の主な背景:国籍はさまざま。属性も、主婦、会社員、技能実習生、留学生、年少者などさまざまです。
・使用教材:自主作成のハンドアウト
■「にほんご町内会」参加者の声
「外国の人からは様々な文化などの話が聞けて、日本の人からも興味深い話が聞けてとても勉強になっています!毎回新しい発見があって楽しいです。」「皆が優しくて悩んでいることを慰めてくれましたし、楽しいこともお互いに楽しみました。」
■地域ならではの悩みなど
参加者は、国はもちろん、在住歴や日本語学習歴、そのほか仕事、家族構成など、ひとりひとり背景が異なります。参加者全員が楽しめる場にするのは、とても難しいですが、場の雰囲気に常に気を配り、ひとりでも多くの人の「居場所」になればと願っています。
■今後の課題
コロナ禍、そして運営者の生活様式の変化によって、にほんご町内会の対面開催が減少しました。オンライン開催で、日本や世界の各地から参加があり、新たな可能性も感じましたが、やはり原点は地域に根差した活動。今後は対面イベントも再開し、同じ地域に住む仲間との出会いや、交流の機会を増やしていきたいと考えています。